「記憶の家」は、
家で暮らす家族の「暮らし方」から考えた住宅です。
家という器の中で繰り広げられる「暮らし」は、
柱・梁・壁・床・屋根といった構造からなる空間だけでは成り立たず、
暮らしには、必ず、道具=モノがあります。
記憶の家の住み始めには、
絨毯・リネンカーテン・テーブル・椅子・薪ストーブが誂えてあり、
そのモノたちが中心となって「暮らし方」を教えてくれます。
暮らしの舞台となる家=器も、暮らしの中心となる家具も
自然素材で構成されています。
記憶の家の内部は、木・石・土・羊毛・麻・紙・風・光などの
豊富な自然の恵と力に包まれています。
人生の大半を過ごす家において
何か、学びや気づき、成長のきっかけがあったらいい。
それは間違いなくモノを通して体現できる「暮らし方」からです。
家は人間の感性を育み、社会と繋がる場であるとしたら
道具はその成長を助けてくれる相棒です。
暮らしをより具体化する「暮らし方」を大切に考え
家と生活道具と家族を五感で繋げ
目には見えない価値を本物の素材から学び取ることができた時
記憶の家に住む家族の心の豊かさに繋がると考えます。
すでに「記憶の家」と「生活道具」は30年後の家族の姿を知っています。
30年後にあるべき価値を持って、家族と一緒に歩んでくれるのです。
その歩みの中で紡ぎとられた記憶は、「家」や「生活道具」に個性として現れてきます。
大切な家族の家に、質の良い愛ある記憶を。