薪ストーブが教えてくれること

原始の頃から人間の暮らしに欠かせなかった“火”。

人類と火の歴史は少なくとも50万年前に遡るとも言われています。

“火”は、人々の暮らしに、夜の闇を照らす光と生きるための暖かさを与えてくれました。と同時に怖さというものも教えてくれました。

本物の火に触れることで気づき学ぶことはたくさんあります。

火を起こすことで風が必要なことを知り、

火と肌との適切な距離や付き合い方を学び、

炎の揺らぎに見とれる時間はかけがえのないものとなり、

燃え尽きた灰に過ぎた時間の記憶を感じる。

記憶の家にあつらえられる薪ストーブは鋳物です。

鉄を溶解し形作られるストーブ。

元を辿れば自然の大地の中にあった鉄。

鋳物のストーブは“熱しにくく冷めにくい”という特徴があり、高温から焚くことには向いておらず、ゆっくり時間をかけて温度を上げていかないといけません。

この時間をどう捉えるか。

例えば寒い日、休日の朝。

少し早起きして火を起こし、火を育て、沸かしたお湯が入ったポットをストーブにおいて温める。家族が起きてきて、少しずつ温まるリビングに集まって1日をのんびり過ごす。温めていたお湯でコーヒーやお茶を入れたり、昨日の残りのスープを鍋ごと温める。1日焚いたストーブの熱は吹き抜けを通って2階へ上がり、眠りに着くまでその自然の暖かさが家族全員を大きく包んでくれる。

「いい時間を過ごそう」とすると、そのためには準備や手入れが必要です。

ストーブを焚くための“薪”や、ガラスを磨くこと、灰の処理など、ちょっと時間がかかることがあります。

ですが、家族のために費やす時間は愛情のしるしです。

誰かのためになら頑張れる、楽しめる、そういうこともあると思うのです。

そして、前向きに考えると、いい時間(火)に出会うために段取り上手になる。ということかもしれません。

なんでもボタン一つで暮らせる時代になりましたが、たまにはちょっとめんどくさいこと、時間がかかること、その時間を楽しみに変えること。

「本物の温度」はいつでも人間にとって大切な価値観を教えてくれます。

肌で感じた本物の温度は、細胞レベルで家族の身体を健やかに作っていきます。

関連記事

  1. 記念樹を植える、明日開催

  2. 手のひらが覚えている

  3. 記憶の家の一日

  4. 記憶の家のキッチンで30年前の幸せを再現してみた【記憶のレシ…

  5. 【雑誌】住まいnet新潟に掲載されています

  6. 記憶の棚

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。